本寺ギツネの恩返し

昔から何度も崩れて岩肌が白く見えたことから白崖と呼ばれ、かつてキツネが住んでいた穴があったといわれている

 むかし骨寺村(ほねでらむら)に佐々木三左ェ門(ささきさんざえもん)さんという人が住んでいました。ある日一関村で魚を買って家へ帰る途中、白崖(しらがけ)あたりまで来ると、美しい女の人が立っていて「お腹が痛いので馬に乗せてほしい」と頼まれました。三左ェ門さんはキツネが化けて魚を盗ろうとしていることに気づいたので、知らないふりをして馬に乗せて、荷物と一緒に女の人を馬に縛り家へ帰ってきました。
 家に着くとだまされたと気づいたキツネは、「助けてえ~、コンコン」と泣き叫んで、とうとうキツネの姿にもどってしまいました。家の人は「キツネ汁にして食べてしまえ!」と言いましたが、三左ェ門さんは「人をだましたのは悪いことだけど、もしかしたらキツネもお腹のすいた子供が待っているかもしれない。許してあげるからもう悪さするな」と言ってキツネを逃がしてあげました。
 その夜のこと、田んぼの方から「ヤホー、ヤホー」という奇妙な声が一晩中聞こえてきました。次の朝田んぼに行ってみると、不思議なことに一晩で田植えが全部終わっていました。まるで踏み散らかしたように、あっちこっちばらばらに植えてあるのを見た三左ェ門さんは、キツネが恩返しのつもりでやったんだろうとそのままにしました。その年の秋、骨寺村は大凶作でしたが、キツネが植えた田んぼだけは稲が実り大豊作だった、というお話です。
(「伝説の骨寺」・「須川・本寺風土記」と、地元の方たちのお話を参考にいたしました。)

所在地 一関市厳美町本寺地区内 
連絡先 2111内線:8471)または骨寺村荘園交流館(若神子亭)
電話 骨寺村荘園交流館(若神子亭)0191-33-5022
FAX 上記に同じ
電子メール honedera@city.ichinoseki.iwate.jp
ホームページ http://www.honedera.jp/
交通アクセス(JR)  JR一ノ関駅西口を出て、一ノ関駅前バス乗り場から岩手県交通「瑞山行き」のバスに乗ります。およそ40分ほどで骨寺村荘園遺跡に到着。バス停「塚」で下車、西へ300m、徒歩約10分で斜め右に折れる中道があります。その中道沿いにある沖要害の田んぼの中に、キツネが植えたと伝えられる田んぼがあります。
 尚、1日に運行するバスの本数が少ないので、バスの時間にご注意ください。また、バス停「塚」のすぐそば、骨寺村荘園交流館(若神子亭)でレンタサイクルを貸し出しています。
交通アクセス(車)  東北自動車道一関ICを出て、国道342号を栗駒山方面に向かうと、約20分ほどで骨寺村荘園遺跡に到着。岩手県交通のバス停「塚」から西へ300m進むと、斜め右に折れる中道があります。その中道沿いにある沖要害の田んぼの中に、キツネが植えたと伝えられる田んぼがあります。
駐車場 骨寺村荘園交流館(若神子亭)の前に無料駐車場。
駐車可能台数 乗用車46台(うち身障者用2台)。